僕は死ぬべき
「参拝ですか?」
白く透き通った肌と,どこか引き込まれる瞳をした女性に話しかけられた。どこから現れたのだろうか。突然のことだったこともあり,僕は少し驚いてしまった。
「はい。安曇野を観光をしていたところ,綺麗な神社を見かけたもので」
「知っていますか?宝石を砕いて,タバコの葉と一緒に巻いて吸うと,面白いことが起きますよ」
そう言うと彼女は,ポケットから出したサファイアをハンマーで砕き始めた。夏の太陽が粉々になったサファイアを強く輝かせる。手際よく彼女はそれをタバコの葉と共に巻き,それを僕に渡した。
「ぜひ吸ってください」
戸惑いつつも,タバコに火をつけた。なぜか怪しいと思えなかった。息を深く吸う。 涼しい風が吹く。目の前には青く広い海が広がっていた。かもめが海の上を飛ぶ。美しかった。すると,どこからともかく声がする。振り向けば,知らない老婆の顔があった。何故かとても懐かしかった。気づくと涙を流していた。
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